《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
その弘樹が『ほうか。』と、言いながら小さく笑った。

目尻を下げ、優しい笑顔を見せる弘樹に、英美も優しく笑った。

「明日、病院に行ってきますね。」

「愛美はどうすんねん?」

英美の言葉に愛美を気にする弘樹。

弘樹の心配性は、今に始まったことではない。

口数が少ないにも関わらず
人よりも心配性。



愛美が生まれる時も英美に陣痛が始まると、一緒に病院まで行き、生まれるまで分娩室を離れない。

陣痛が始まって数時間が経って、『少し休んできたら?』と、言う周りの声など気にせずに、分娩室から動こうとしなかった。
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