《実話》Ｌａｓｔ Ｌｏｖｅ〜命を懸けた愛〜

英美の問い掛けに、弘樹は立ち上がり、窓の外を眺めた。

「お前は考えてんのか？」

弘樹は遠くを見つめていた視線を赤ちゃんに移し、ポツリと呟いた。

互いが同じ思いで、弘樹も幾つか名前を考えていたが、英美も考えているだろうと思い、自分の気持ちを隠して英美に聞いた。

聞かれた英美は質問したのに、質問で返されたことに少し驚き、焦って幾つかの名前を口にした。

その中で弘樹は直観的に、ピンときた名前を口にする。

「まさとってどんな漢字書くんや？」

ぶっきら棒に言葉を発する弘樹。