《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
確認し終わり、英美は時計に目をやり、時間がないことに気付き、慌てて家を出た。

駅までの道をカランコロンと、下駄を鳴らしながら小走りで向かう。



電車を乗り継ぎ、待ち合わせ場所になんとか間に合った。



チャリーン―――



ドアの風鈴が綺麗な音色を奏でる中、英美は店の中へと入っていく。

入り口で弘樹の姿を捜し、見つけると急いで席へと向かった。

「すいません。
待ちましたか?」

英美は弘樹の前に立ち、軽く頭を下げた。

「大丈夫。
時間にはまだあるで。」

弘樹は笑顔を見せ、煙草に火をつけた。
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