《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
可愛い丸い眼鏡が似合い、眼鏡の向こうから見える瞳はいつも優しい奥さん。

目尻を常に下げ、いつも笑っているご主人。

白髪混じりの髪の毛がなんだか、とても暖かい。



英美も弘樹も山田さん夫婦になら、安心して愛美を任せられると同意見だった。



仕事が終わった弘樹は急いで団地に戻り、愛美を迎えに行く。

「ぱぱぁ。」

弘樹の顔を見た愛美は、一目散に弘樹に向かって走っている。

愛美を抱き上げ、山田さん夫婦にお礼を言う。

奥さんは目を細め、小さく頭をさげていた。

「愛美。

ありがとうは?」

弘樹の言葉に、愛美は弘樹の肩に顔を埋めた。

遊んでもらった奥さんと離れるのが淋しくて、お礼を言えずにいた。
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