《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
「今、眠ったばっかりなんですよ。」

英美は弘樹に誠人を渡しながら小さな声で話した。

弘樹は誠人の顔を見ながら小さく何度も頷き、そして小さな笑顔を見せた。

弘樹の小さな笑顔は、英美や愛美にとって、大きな笑顔。

弘樹が笑うことは本当に珍しい。

それがここのところ毎日、笑顔が伺える。

英美は嬉しくなり、愛美を抱き寄せた。



退院の時―――



弘樹は仕事を休み愛美と病院へ向かった。

その頃、英美は帰るようにと荷物をまとめて、看護婦や高野先生に挨拶して回っていた。
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