《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
弘樹は外を見つめたまま、何も答えない。



英美は弘樹の何も答えない微妙な雰囲気が、心地よく感じ始めていた。



ゆっくり流れる二人だけの時間。



「海…」

「えっ?」

突然、弘樹が口を開き何を言ったか聞き取れず聞き返す英美。

「海でも行こうか。」

弘樹はまだ外を眺めている。

英美の顔を見ないまま呟いた。

英美は弘樹に視線を移し笑顔で返事した。

「はい。」

「じゃ、出よう。」

弘樹は行動が早く、決まればすぐに体を動かす。
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