《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
「子供ができた…かもしれません。」

英美は少し間を開けて話した。

確信に近いけど、まだわからない思いが、英美の言葉の邪魔をした。

「そうか…」

そう一言呟いて、弘樹は黙ったまま、暗くなった空を眺めた。

無数に輝く星たちに、弘樹は心の中で感謝の気持ちを表した。



愛美を幼稚園へ届けた足で誠人の手を引き、市民病院へ向かった。

受け付けを済ませ、産婦人科の待合室の前で誠人を膝の上に乗せ、少し顔を強ばらせた英美の姿。

久しぶりの産婦人科。
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