《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
「森山さんどうぞ。」

看護婦の言葉に、英美と弘樹は目を合わせ、大きく深呼吸をして診察してへ足を運んだ。



コンコン―――



英美が震える手で扉を叩く。

「どうぞ。」

中からはいつもの優しい高野先生の声がした。

静かに扉を開けて英美が先に中に入り、続いて弘樹が入った。

高野先生の前にはいつもと違って、二つの丸椅子が用意されていた。

二人が腰をおろすのを確認して、さっそく本題へ入る高野先生。

「さっそくですが…奥さんの右乳房にしこりが見つかりました。」
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