《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
高野先生の言葉が何を意味するのか、理解できない二人は茫然としている。

「簡潔に申しますと乳癌です。」

医者の言葉に弘樹は頭を抱えた。

英美は気丈に振る舞うも、肩が小刻みに揺れている。

「赤ちゃんは?

赤ちゃんはどうなるんですか?」

声を震わせて無理に言葉を出す。

「残念ですが…」

高野先生は申し訳なさそうに言った。

英美の瞳からは大粒の涙が溢れていた。

「これからのことを早い目に決めていきましょう。」

高野先生の言葉は子供を諦めることを前提に進められていた…
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