《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
二人が違う思いを抱え、いざ診察室に入る。



コンコン―――



「どうぞ。」

いつもと同じ優しい響きが聞こえてきた。

扉を開け中に入る。

英美と弘樹が椅子に座るなり、高野先生は言葉を発した。

「結論は出ましたか?」

医者の言葉に一つ息を飲む英美。

弘樹はもう、冬がそこまできてるというのに、額から溢れんばかりに汗をかいている。

「この子は…

何があっても生みます。

病気になんて負けません。」

英美の瞳は決意と希望に満ち溢れていた。
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