《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
『見捨てる…』

この言葉を聞いた英美は頭を上げた。

体中の力が一気に抜け、椅子に腰を落とした。

そして、一点を見つめたまま動かない。

愛美と誠人を見捨てる?

この子の命を選ぶことは許されないの?

どうして?

ただ、出産したいと…

この子の顔が見たいだけなのに、それがいけないことなの?

英美が頭の中で考えている間に、弘樹と高野先生は話を進めていてまた後日、改めくることになった。

弘樹に肩を抱かれ千鳥足で帰る英美。

高野先生の言葉が耳から離れない。

頭の中を何度も、何度も
行き来する…
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