《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
病院に着いた救急車は、英美を担架のまま処置室に運んだ。

「ご主人さんはここで待っていてください。」

看護婦の言葉に足が止まり処置室の扉は閉められた。

近くの古びたソファに腰を落とし、手を合わせ祈るように瞳を閉じる弘樹。



英美が処置室から出てきたのは、二時間後のことだった。

酸素マスクをつけ、腕には点滴の針が刺さっている。

弘樹は英美の元に歩み寄り手を握った。

弘樹の手を微かに握る英美。

弘樹が英美の顔を見ると、英美は微笑んでいた。
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