《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
愛美と誠人の手を取り、四階ナースステーションの前を通り過ぎる時、看護婦が声をかけた。

「森山さん、こっちです。」

看護婦が指差したのは英美の病室とは反対方向。

小さな部屋に案内された。

そこにはいつもの優しい高野先生と、数人の白衣を着た医者たち。

「あいつはどうなんですか?」

弘樹は英美のことが気になり質問した。

「今から帝王切開の手術をします。

ですからこれに目を通し署名してください。」

担当の高野先生がいつもの優しい笑顔で言った。
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