《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
渡された紙に目を通していく弘樹。



もし、万が一命の危険にさらされた場合、子供の命は諦めます―――



手術同意書にはそう書かれており、弘樹の手が止まった。

「妻と話せますか?」

「少しなら話せますが…」

弘樹の言葉に慌てて答える高野先生は事態が飲み込めてない様子。

弘樹は部屋を出て子供たちの手を引き、英美の病室に向かった。

ノックもせず扉を開け中に入る。

英美は横になりながら視線を扉に移した。

弘樹の姿を確認すると、起き上がろうとする英美に弘樹は言った。
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