《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
夢と希望を託されて生まれた子。

英美のすべてを綺麗に咲かせてほしい。

そう考えた弘樹は子供に夢咲と名付けた。

英美の夢を咲かせるために…

生まれてきた子供。

それが夢咲…



夢咲が生まれて五日―――

英美の意識はまだ戻らない。

弘樹は毎日のように病院にかけつけ、ガラス越しから英美を眺める。

穏やかな表情の英美はこのまま、目を覚まさないんじゃないかと思わせる。

夜八時になり、今日も英美は目を覚まさなかったと諦め、愛美と誠人の手を握りエレベーターを待つ。
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