《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
「はい…」

涙ぐむ英美に弘樹は名前の話を切り出した。

「名前、考えたんやけどな『ゆさ』ってどうや?」

「ゆさですか?」

涙を拭いながら話す英美。

「夢を咲かせるで夢咲や。」

「いい名前ですね。」

英美はこの日、初めていつもの優しい笑顔を見せた。

いつもの明るい笑顔を…



一週間後―――

夢咲に退院許可が出た。

だが、英美はまだ病院から出られない。

夢咲を抱き荷物を持って、病院を後にする弘樹。

本当なら英美も一緒に来るはずだった。
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