《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
英美の唯一の楽しみな時間。

夢咲を自分の手で育てられない腑甲斐なさを、弘樹はわかっており、それを少しでも和らげようと、土曜日は家族みんなで病院で笑い合う。



「弘樹さん。

これで本当によかったのでしょうか?

私は子供たちの母親失格なんじゃないでしょうか?」

子供たちが寝静まった部屋で、英美の不安げな細い声が響いた。

「こうして笑えてんねんからいいやろ。」

弘樹は天井を見たまま答えた。

「はい…」

涙を堪え小さく笑った英美。
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