《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
弘樹は英美の傍にいき、強く英美の手を握った。

「死にたくない…」

消えそうな細い声で、そう言って涙を流す英美。

子供たちの前では、常に笑顔だった英美が涙を見せた。

弘樹はどうすることも出来ず、ただ、ただ、強く手を握っていた。

「弘樹さん…

愛し…てま…す…」

最後の気力を振り絞り言葉を出す英美。

言い終えた後、英美は瞳を閉じた。



ピ―――



室内に響き渡る機械音。

それは英美の死を示していた。

その音を聞いても弘樹は眠った英美の手を、いつまでも、いつまでも…

離さないで握っていた。
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