《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
それは九年前、弘樹が英美に残した声だった。

弘樹の声を聞き、弘樹の心の深さを知り、とめどなく涙が溢れる。

決して、良き父親だったとは言えない。

毎晩、毎晩、お酒を飲んでは愚痴を溢していた弘樹。

父親らしいことなんてほとんどしていなかった。

その理由がこのテープには残されていた。

弘樹は心から英美を愛していた。

そして、九年経った今も英美を愛している。

その気持ちを知った愛美は弘樹の心の奥を見た気がした。
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