《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜

大切な言葉

英美と弘樹が出会って二ヵ月が過ぎた―――



過ごしやすかった季節を通り過ぎ、肌寒い季節が訪れた。

英美と弘樹の仲は変わらず、日曜日に小さな喫茶店で会っていた。



英美は弘樹と会うようになって、恐怖に怯えることはなくなっていた。

いつものように鏡台の前に座り、化粧を始める英美。

一つ一つの工程を、丁寧に時間をかける。

すべてが終わると全身鏡で自身を見る。

弘樹に会う前はいつもこうだ。

時間をかけ丁寧に化粧をし、お気に入りの服に身を包み、最終チェックを行う。
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