《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
何一つ無下には出来ない。

大切な人に会うから、英美は自分を綺麗に見てもらいたいから、準備も怠らない。

準備を済ませ、いつもの喫茶店への道を歩く。



早く、早く…



心ばかり急いで、足はおいつかない。

早足で歩いたため、英美の額には汗が滲んでいる。

喫茶店の前で呼吸を整えてからドアを開ける。

チャリーン―――



冬でも同じ音を奏で英美を出迎える。

いつもの席に目をやると、弘樹の姿がない。

仕方なく、英美はいつもの席で弘樹を待った。
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