《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
しかし、どれだけ待っても弘樹は現われない。

現われる気配さえ、感じられない。



英美は心配に思いながらも、どうすることもできないでいた。

弘樹の家の住所も電話番号も、何も知らない。

ただ、待ってるだけしか、英美には出来ない。



日が傾いても帰ろうとしない英美。

どれだけ待っても、もう、無駄なのだろうか…



諦めかけたとき店のドアが開いた。

チャリーン―――

綺麗な音色の音に英美は振り返った。

そこで目にしたのは、慌てて入ってくる弘樹の姿。

呼吸を乱し額に汗がひかっている。

「森山さん…」

英美はいろんなことが頭を過った。
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