《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
『話がある』

そう言ってから十五分が過ぎた。

煙草を吸うだけで、何も話そうとしない弘樹。

英美も何も話さない。

弘樹が話すのを、ただ、じっと待っている。



店内に、微かに聞こえる音楽。

お客さんも英美と弘樹しかいない。

静まり返った店内に、弘樹の煙草を吐く息の音が響く。





「結婚してください。」

そう言ってポケットから取り出した指輪をテーブルの真ん中に置く弘樹。

英美の頭は、真っ白になり何が起こったのか理解できない。



だけど、自然に流れる涙。

ゆっくり、状況を把握しようと頭の中を整理する。
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