《実話》Ｌａｓｔ Ｌｏｖｅ〜命を懸けた愛〜

遅れた理由

英美と弘樹は、結婚の約束を交わした。



結婚を約束した二人はまず、弘樹の家へ向かった。

車を走らせ数十分。

集合団地の一棟の前に車は停まった。

「ここが森山さんの家ですか？」

団地を見上げながら話す英美。

「結婚するんやから『森山さん』はないやろ？」

そう言って、子供のように無邪気な笑顔を見せる弘樹。

「では…
弘樹さん？」

恥ずかしそうに頬を赤らめて俯き話す英美。

英美の姿に、言葉に納得したのか、そそくさと車を下りる。

英美も後を追い急いで車から下りた。