《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
「娘の結婚相手が家に来るんですもの。

楽しみに決まってるじゃないですか。」

母親は笑顔を見せ、興奮を押さえながら話していく。



包丁のリズミカルな音。

それが母の気持ちを表しているかのように俎板を叩く。

英美は不思議で仕方ないが、あえて、それ以上は聞かないことにした。



母親の鼻歌を聞きながら着々と、料理が仕上がっていく。

英美は支度が終わると急いで、鏡台と向かい合わせになった。



時間まで後僅か…

時計に目をやりながら手を動かしていく。

髪を上げ、いつもとは違う化粧を始めた。
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