《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
廊下を抜けて居間に案内する。

英美の隣に弘樹。

弘樹の前に父、英美の前に母と両親を目の前にした弘樹。



四人が座ると座布団から下り、土下座をする弘樹。

「英美さんと結婚さして下さい。」

深々と頭を下げ、そのまま動かない弘樹。



頭を下げたまま弘樹は微動だにしない。

「森山さん。
頭を上げて下さい。」

沈黙を解くように優しく言葉をかける。

父親の言葉にようやく顔を上げ、両親の顔を見る弘樹。

頭を上げたまま、また動かない。

「英美を…
娘をお願いします。」

弘樹はあっさりと結婚の承諾をした父に、茫然として何も言えずにいた。
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