《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
小さな木で出来た門を潜り、石畳を歩き、店に足を踏み入れた。



廊下を歩いていると、右手には日本庭園が小さく再現されており、高級感を漂わせていた。

そして、左手には障子で出来た襖がいくつもあり、その中からは笑い声が響いていた。

その光景に英美の心は強ばる。



一番奥の部屋の入り口で仲居さんは止まった。

「お連れ様が到着されました。」

そう言って襖を開ける仲居さん。

襖から見える弘樹の両親。

険しい顔をした父親

厳しい顔をした母親

英美は頭を下げ中に入った。

座布団を横に避け正座をする英美。

その横に弘樹もあぐらをかき腰を落とす。

そして、弘樹が口を開いた。

「小西 英美さん。
俺の嫁になる人。」

弘樹の言葉に英美は三つ指を立て頭を下げた。

「小西さん。
頭を上げてください。」
< 68 / 348 >

この作品をシェア

pagetop