《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
英美の問いかけに、箸を進めながら冷たく答える弘樹。

「あいつのことは放っといたらええ。

そのうち帰ってくる。」

弘樹の言葉は強気ながらも淋しさを漂わせている。

少し悲しくなりながらも英美は箸を進めた。

お互いに無言のまま食事をする。



英美と弘樹の間では会話がないことは、当たり前だった。

あったとしても英美が一方的に話し、それを弘樹が頷きながら聞いている。



ご飯も食べ終わり、今度は二人で荷物を片付ける。

寝室のタンスに着物を直していく英美。

洋服も好きだが、日本文化の着物も好んで着る英美。

今の時代、着物を着てる人はほんのわずか…
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