落ちない彼の落とし方☆
「弾かないの」
「え?」
「ピアノ」
難部先輩はつぶやく。
「え、いや、弾きますけど…」
難部先輩の前で弾くって凄く恥ずかしいけど、ピアノが上手くて惚れてくれるかも…。私は自意識過剰な自分になんとも思わずピアノを弾き始めた。
「あ、やべ」
「?」
「俺まだ飯食ってないんだった、じゃな、木下」
難部先輩はそそくさと音楽室から去った。
「え…」
私は思わず固まる。
嘘でしょ…今、なんか、いい感じだったのに…!(°_°)
私がそれからハッとしたのは授業始まりのチャイムが鳴った時だった。
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