どんなに叶わない恋でも
「やば!どーしよ!って、あんた!なにすんのよ!!」
突然そいつはあたしを脇に荷物のように持ち上げた。
「今日こそ俺、遅刻したらやばいんだよ!ちょっとごめん!」
そう言うと急にホームから走り出した。
「ちょっとあんたなにいってんだよ!あたしだって遅刻寸前なんだよ!おいこのやろー!降ろせーーー!!」
人目も気にしなく手足を思いっきりばたつかせた。
「おい!あばれんなよ!今お前を降ろしたら後悔すんのはお前だそ!」
あ。そーだよ。
今降ろされたらあたしは当然下に落ちる。
となると
あたしの髪は…
声が出ないような痛みを想像した。
オソロシイ
しかたない。
大人しくしよう。