星屑のバラード
そして一晩、病院で過ごしたわたしは今、翔と一緒にいる

警察で路上ライヴで使っていた機材を受け取り、一緒に食事をすることになった


「ハナはどんな食べ物が好き?」

「わたしは基本なんでも食べられるけど、和食とイタリアンが好きです」

「じゃあ今日はお腹に優しい和食のお店にいこうか」


木目調のとっても落ち着く感じの個室のあるお店

優しい和紙のランプがとってもいい雰囲気

「翔さんってグルメなんですね」

「まぁグルメっていうのかな、食べることは好きだから色々食べ歩くんだよ」


運ばれてきたのは体に優しそうな、たまご粥御膳

ふんわり優しい味でわたし好みの味

「おいしい」

「だろ?俺もこの店の味が好きでさよく食べに来るんだ」

「お口に合うようでよかった」

「ハナは仕事してるの?」

「はい、桜並木のそばのカフェで働いてます」

「小学校の近くの?」

「そうですけど、どうかしました?」

「いや、あそこで俺の妹も働いてるからさ」

「えっ?そうなんですか?」

「そう、結城 咲季って知らない?あれ俺の妹なんだ」

やっぱり…
同じ匂いがするはずだ

「咲季さんのお兄さん??」

「咲季さんには本当に良くしてもらっていてわたしのお姉ちゃんみたいに面倒みてくれてるんです」

「そうだったのか、世の中狭いな」



お互いに笑うしかなかった




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