星屑のバラード
「あと…一番心配なことがあって…」

「それはどんなことだろう?」

「もう歌えないんじゃないかって、思ってて…っ」

涙がとめどなく溢れ出す

「そうだよね、歌うこと大好きだから心配になるよな」

「でも今は心がちょっと不安定になってるから、

少しお休みの期間だと考えて、歌詞を考えてみるとか

メロディーを考えてみるとか

人前で歌えなくても歌の練習はできるんじゃないかな?」

「人前で歌えるようになった時にさらに

パワーアップしたハナの歌声を届けられ

たら素敵なことじゃない?」

「焦らなくても大丈夫、ハナのペースでいいんだよ」

「俺はずっとハナのファンでいるから」

翔はニコッと笑って、ようやく手を握ってくれた

カウンセラーじゃない、いつもの翔に戻った

その笑顔とあったかい手がすごく安心できる

何故か不思議

こんな感覚は初めて


< 23 / 35 >

この作品をシェア

pagetop