冷たい彼は旦那さま
「翼さん」
遥はそう言って俺に笑顔を向ける。
俺の気持なんて全く知らない笑顔。
遥の中では俺はお兄さん的存在なんだろうけど、俺の中では遥は一度も妹になったことはない。
遥の親は海外の仕事が多く、それにつけ込んで俺は遥を預かると提案した。
そして、それを理由に無理やりな形だけの関係を作った。
遥からメールがあった時、遥は俺のことを考えてメールにしたのに俺はただ遥の声が聞きたくて電話にした。