冷たい彼は旦那さま


「翼さんに何かあったんじゃないかいかって心配で.……」


震える遥の声。さっきまでの自分に腹が立つ。


どうして、こんなに泣かせてばかりなんだろう。


上手くいかない事だらけ。


「遥……」


俺はただ遥を抱き締めた。


力強く、大切に抱き締めた。


こうすることしかわからなかったから。


こうすることしか出来なかったから。


< 118 / 427 >

この作品をシェア

pagetop