冷たい彼は旦那さま
私はリビングには戻らず自分の部屋に戻った。
シーンと静かな自室。
翼さんがあんなふうに笑うなんて知らなかった。
私には翼さんをあんなに笑わせることなんて出来ないのに、サツキさんは簡単に笑わせられるんだ。
私の知らない翼さんがいて、その知らない翼さんをサツキさんが知っている。
私には出来ないことが簡単に出来るサツキさんが純粋に羨ましい。
その日私には知らない二人の関係性が、私の胸に痛いほど突き刺さったままだった。