冷たい彼は旦那さま


玄関のドアがバタンっと音をたてて閉まった。


私は追いかける事なんて出来ずに、声を押し殺して泣いた。


悔しかった。


子供過ぎる自分と、翼さんと釣り合わないと言う現実に。


【先に寝ます】


こんな気持ちで会いたくなくて、私はそう翼さんにメールした。


いつまでも耳に残る二人の笑い声に、私は気にしないフリをした。

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