冷たい彼は旦那さま
「大地……?」
「千秋が遥が帰ったって言ったから、心配になって…。っか、泣いてんの?」
心配そうに駆け寄ってくる大地。
懐かしくて、ずっと傍で感じていた匂いが私を刺激する。
何かが、切れたように私は大地に抱き着いた。
「ふぇ…っ。大地っ……」
「…………」
「……うぁーーんっ!!」
大地は何も言わずただ、泣く事しか出来ない私を受け止めるように抱き締めてくれた。
私が初めて、大地に泣いた日だった。