冷たい彼は旦那さま


「えっ……」


言われて気づいた。


私………泣いてる?


「あれっ……?可笑しいですよね。か、花粉症ですかねっ……?」


「遥」


そっと、翼さんの指先が私に触れる。


触れられるだけなのに、いつまでも熱い。


「翼さん、私っ……。ずっと、翼さんが一番です。きっとこれからも、ずっと一番です…。翼さんは違っても私はー…」


言葉が言い終わらないうちに、私は翼さんの腕に包まれていた。


「俺の中でも遥はずっと一番。何年も前から一番」


「はいっ……」


それが例え家族の一番でも、十分過ぎるくらい嬉しい。


「翼さん、行ってらっしゃい」


離れたくない。このまま、いつまでも一緒が良い。


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