冷たい彼は旦那さま



「………サツキさんと幸せになって下さい」


遥の最後の言葉が胸に引っかかったまま家を出た。


離れる事がこんなにも嫌だなんて思わなかった。


会社についても遥の事ばかり。


仕事なんて手に付かない。



「………あ、忘れた」


だから、会社の書類を忘れたのかもしれない。


「翼先輩が忘れ物なんて珍しいですね」


「うっさい」


どこか嬉しそうに笑ってる部下。


「……取り行ってくる」


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