冷たい彼は旦那さま

もう一度だけ



空港で翼さんの声がした。


居るわけ無いのに。


改札口へと足を進めようと、一歩踏み出したとき。


「遥っ!!!!」


やっぱり、翼さんの声がした。


夢でもいいから。幻覚でもいいから。


最後にもう一度だけ、会いたい。


何処にいるのかなんて分からないのに。


足はどこかへと向かっている。


「翼さんっ……」


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