冷たい彼は旦那さま

隠した真実




「――…か。遥っ!」


誰かに呼ばれた気がして、顔を上げると


「……大地?千秋?」


気付いたらそこには大地と千秋が居た。


そして、泣き崩れる数人の女子が。


だけど、サツキさんだけがそこには居なかった。


地面には散らばった髪の毛。


「……ごめんなさいっ!」


何度も何度も謝る数人の女子の顔は真っ青だった。


「…話はあいつらに聞いた。早く来れなくてごめんな」


悔しそうに大地がクシャっと顔を歪める。


「遥っ!大丈夫!?」


涙でクシャクシャにな顔した千秋の暖かさが私を包んでくれる。

< 284 / 427 >

この作品をシェア

pagetop