冷たい彼は旦那さま


拭っても拭っても頬をつたう涙。


「遥?」


そう呼ばれた。


振り向かなくても誰かなんて分かる。


ずっと会いたかった、翼さん。


「電気もつけないでどうした?」


翼さんがスイッチへと手を伸ばした。


「だ、ダメっ!」


私の言葉とは裏腹に明るくなった部屋。


「遥、その髪……」


明るくなったことによって、はっきりと見られた髪型。


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