冷たい彼は旦那さま
翼さんがゆっくりと私の方へと歩いて来る。
そして、優しい手つきで髪に触れる。
「長かった遥も可愛かったけど、短い遥も可愛い」
「っ」
翼さんに釣合いたくて伸ばしてた髪も、そんなこと言われたらどうでも良くなる。
「私っ……一生この髪型でも良いです」
翼さんに褒められられる髪型なら、どんな髪型でもいいや。
「何それ?可愛すぎでしょ」
手首を掴まれたかと思えばグイッと引き寄せられる。