冷たい彼は旦那さま
簡単にも翼さんの胸の中。
「短い髪も似合ってる」
耳元で囁かれる翼さんの声に、胸がぎゅーっと締め付けられる。
こんなにも心を締め付けられるのは翼さんだけ。
だから尚更悔しいんだ。
「翼さんのばかっ…」
悔しくて文句の一つでも言ってやろうと思ったけど、私にはこれが限界だった。
「……遥の癖に生意気」
そう言われたかと思うと、一瞬で翼さんの唇が私の唇と重なる。
「っ、ぅ」
小さく角度を変えながら繰り返されるキス。
私の思考が全部翼さんへと向けられる。