冷たい彼は旦那さま
「俺には遥しか見えてないよ。何年好きだったと思うの?」
「それは、私のセリフですよ……?」
笑っているのか泣いているのか、自分でもよくわからなかった。
だけど、やっぱり幸せで。
「遥、愛してるよ。どう仕様も無いくらいに」
「私もです。どう仕様も無いくらいに」
何も言わずに唇が重なる。
「触れるのが怖かった。触れたら、止められなくなるから」
そっと触れた翼さんの手が微かに震える。
「……触れて下さい」
翼さんなら、何されてもいいよ。