双子姉妹の胸キュン恋愛道!
「姉さんとショウ君が教室で博人君の正体は誰ー!」
しまった!
2つの質問が混ざってしまった。
これじゃあ何を聞いているのか分からない。
琴音が頭を抱えていると、博人が優しく話しかけてきた。
「初音さんには壁ドンしただけです。特に大したことではありませんので。それと、ショウ君の正体は、元樹君ですよ。」
「では、琴音さんごきげんよう。」
美樹は左手に持っている扇子を優雅に揺らしながら、くるりと振り返り博人と共に鉄の門の中に入って行った。
「な、何だぁ。姉さん、教室で壁ドンされていたんだ。しかも博人君に。姉さんも隅に置けないなぁ。」
ニヤニヤしながら独り言を呟く。
あぁ、すっきりした。
「さて、私も帰ろっかな。」
傍に置いていたカバンを拾い上げ、そびえ立つ西大寺家の白い壁に沿って歩き出した。
お腹も空いたし、晩御飯なぁにっかな~。
パスタがいいなぁ。
ピザ?
今日は、何だかイタリア気分!
…。
10分後。
琴音の叫び声が夕暮れの空にこだましていた。
「ええっ!ショウ君の正体が元樹君だってー!!」