双子姉妹の胸キュン恋愛道!



「姉さんとショウ君が教室で博人君の正体は誰ー!」



しまった!


2つの質問が混ざってしまった。


これじゃあ何を聞いているのか分からない。


琴音が頭を抱えていると、博人が優しく話しかけてきた。



「初音さんには壁ドンしただけです。特に大したことではありませんので。それと、ショウ君の正体は、元樹君ですよ。」



「では、琴音さんごきげんよう。」



美樹は左手に持っている扇子を優雅に揺らしながら、くるりと振り返り博人と共に鉄の門の中に入って行った。



「な、何だぁ。姉さん、教室で壁ドンされていたんだ。しかも博人君に。姉さんも隅に置けないなぁ。」



ニヤニヤしながら独り言を呟く。


あぁ、すっきりした。



「さて、私も帰ろっかな。」



傍に置いていたカバンを拾い上げ、そびえ立つ西大寺家の白い壁に沿って歩き出した。


お腹も空いたし、晩御飯なぁにっかな~。


パスタがいいなぁ。


ピザ?


今日は、何だかイタリア気分!


…。


10分後。


琴音の叫び声が夕暮れの空にこだましていた。



「ええっ!ショウ君の正体が元樹君だってー!!」


< 173 / 229 >

この作品をシェア

pagetop