双子姉妹の胸キュン恋愛道!
「で、こうなってしまった…。」
待ち合わせへ向かう電車の中で、初音はこれで良かったのだと何度も自分を納得させた。
最後は琴音も姉さんらしいね、と呆れていた。
変に着飾るよりもこの方が元樹君も分かってくれるはず。
それよりも、元樹君って普段どんな服装しているのだろう。
その興味が膨らむ。
きっと何を着ても似合うのだろうなぁ。
ジャケットを着こなして来るかな?
迷彩服とか?
それとも、まさかのパンク系!?
凄くワイルドな格好だったらどうしよう。
暑いから体のラインが分かる服装だったりして!?
「キャー!!」
電車の中で両手を顔で覆いながら、思わず妄想が膨らみ過ぎて悲鳴を上げてしまった。
「あっ。」
恐る恐る両手を顔から下げて辺りを見回わすと、車内中の乗客の目が一斉に向けられている。
そこへ幼稚園くらいの小さな女の子が駆け寄ってきた。
「電車で騒いだらダメですよ。」
「はい、すみません…。」
赤い顔を隠す様に下を向いたまま謝るしか出来なかった。