〜オリジナル短編集〜
第1章



「ギギギギギ…ガガ…ガ」


部屋に響く機械音。


「やっとできた…。はじめまして、ミライ……」


そう言った少女は目の前の機械に微笑んだ。

その機械は人型。

ふわふわした黄緑のワンピースを着て、淡い桃色のストレートの髪は腰まである。

機械の瞳がゆっくりと開く。


「ハジメまシて。マすター…でスネ?」


機械じみた途切れ途切れの声。

けれど確かに言葉として少女の耳に届いた。


「そうだよ…。私はサヨ。よろしくね、ミライ…」


少女は、今にも泣きそうだった。

嬉しくて。

6年かけて作り上げた機械。

少女はそれを『メカロイド』と呼ぶ事にした。


「まスター、つくっ、てクレて、アリがトウございまス」


ミライは、まるで人間の様に、まるで感情があるかの様に、優しく微笑んだ。
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