あめのひ
こんどは彼が泣いていました。

犬が近くにいました。

倒れていました。

彼は犬を抱きかかえていました。

とても悲しそうに泣いていました。

でも、雨は降ってませんでした。

彼はそらが泣いてなくても彼が泣いていました。

彼は彼であり彼であって彼なので彼で彼だからです。

そらが泣いてなくても彼は泣いていました。

ずっと、ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっと

夢は長く長く長く長く長く長く、つづきました。

ただ彼が泣いている。

ただ犬が倒れている。
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