塩素と君。
二人ともずっと考えていた。
気づいたら授業が終わっていた。
窓にふっと目をやると、
同じ中学の子ほとんどが行った高校が見えた。
少しさみしくなって、またプリントに目を移す。
そんな意味もない行動を続けていた。

授業も終わったとき、
教室を見渡すと、やっぱり見慣れない制服を着た
見慣れない生徒たちが喋っていた。

中学に戻りたい。
中学生になった時も、同じことを思った。
小学生に戻りたい、と。

吹雪と生徒指導だった。
机で男子と喋る吹雪をアイコンタクトで呼び、
教室を出る。

「皐月、ついてきてくれない。」

そう言おうと思ったが、皐月はわくわくしたような目で
こちらを見ている。
ついていこうと決めていたんだろう。
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